【分科会からの問題提起②<2024年4月16日発表>】
WHGC分科会 第3期 高齢社会グループ
どのようにすれば、高齢社会をより明るいものに変えていけるかという視点で議論を進めた。
令和4年の高齢化率は29%、2021年には社会保障費が過去最高の138兆円に到達した。高齢化はさらに続くために、介護費や医療費の拡大が予想される。
高齢者の労働は増えているが、全世代総数を見ると生産年齢人口・労働力人口はともに減少している。
「健康・体力」の問題は、高齢者の就労の障害になりうるために、高齢者には健康でいてもらうことが大切だ。
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では、どのようなライフスタイルが死亡リスクが高いのだろうか?
実は、最も死亡リスクが高いのは、社会との繋がりが少ないことである。
「文化活動」「ボランティア・地域活動」及び「身体活動」をしている人と比べて、いずれの活動もしていない人は16.4倍の健康リスクがあるのだ。
さらにいずれかの活動だけをしている場合に、「文化活動」「ボランティア・地域活動」のほうが、「身体活動」よりも健康リスクが低いというデータもある。
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そこで高齢者の健康における鍵は社会との繋がり、すなわち「社会参加」であると考えた。しかし社会参加を実践している高齢者は多くない。
健康における社会との繋がりの重要性を知らないし、必要性を感じていないことが真の課題である。
社会参加の重要性を伝える場・活動で「気づき」と「成功体験」を得られたら、その必要性を感じてもらえるのではないか。この仮説をもとに「第2の人生作り」と題した料理体験付きのワークショップを開催した。
その結果、社会参加の重要性を自分事として捉えられるようになったので、今後取り組んでいきたいというポジティブな意見をいただいた。一方で、活動の探し方がわからない、一歩を踏み出すきっかけがないなど、参加ハードルの高さについての課題が残った。
以上を踏まえて、企業や行政は定年前の社会人に対して社会参加を促す仕組みを構築していくべきと結論づけた。
発表者: 横地 佑一(カネカ)
WHGC分科会 第3期 高齢社会グループ メンバー
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